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修理実例

Cartier(カルティエ)のバッグのループ継ぎ足しが完了しました(愛知県名古屋市N様)

愛知県名古屋N様より、Cartier(カルティエ)のバッグのループ継ぎ足しをご依頼いただきました。

BEFORE

今回は愛知県名古屋市N様からカルティエのショルダーバッグの持ち手修理をご依頼頂きました。

ご依頼品はカルティエ・マストラインの巾着型のショルダーバッグ。

カルティエは言わずと知れたフランスを代表する王室御用達のジュエリーブランドです。
1847年に、パリのモントルグイユ通り29番地でジュエリー工房を始めたルイ・フランソワ・カルティエ。
カルティエは創業初期からすでに高い評価を受けており、フランスでは王族や貴族たちに愛用されていました。
その評判がフランスの社交界から世界へと広まり、現在では世界中のセレブリティを顧客に抱える「世界5大ジュエラー」の一つとも言われています。

時計やジュエリーなどの宝飾品から始まったこともあり、ジュエリーブランドのイメージが強いカルティエですが、レザー製品も魅力的です。
カルティエのバッグの特徴は何といっても、深みのあるボルドーカラー。
ブランドカラーであるアンティーク感のあるボルドーと上質な革のテクスチャが絶妙で、カルティエならではの品格を放っています。

さて、今回のご依頼は持ち手の付け根の修理です。

持ち手付け根が千切れかかっているとの事でご相談をいただきました。
実は、今回のご依頼者様はリピーター様で、持ち手の付け根は以前に一度修理させていただいております。

当時はまだ、ダメージが軽傷であった為、できるだけ外観は変わらないような修理を施させていただきました。

表面の革には手を入れず、持ち手の芯の傷んだ部分のみを新しい芯へと交換させていただきました。

 

今回も同様の修理をご希望頂いたのですが、ダメージが以前よりも進行しておりましたので、前回のような持ち手内部のみの補修では対応できない状態でございました。

 

この場合、当店でご提案させていただいておりますのは主に次の2つの方法です。
一つは持ち手を丸っと新しい物に作り替えるという方法。

もう一つは持ち手付け根の傷んだ部分だけを部分的に補修する方法。

 

二つの方法を強度の観点から比較した場合は、前者の方がおすすめです。

持ち手に使用する革の強度にもよりますが、ご使用してある程度年月を経た状態の持ち手と、新しくお作りする持ち手では、通常は新しい方が丈夫であると言えます。

また、部分補修に関しましては、前提条件として、全体的には革の状態が良好であることが必要になりますので、破損個所以外にも革の劣化が激しい場合には、残念ながらお選びいただけません。

 

では、この二つをコストの面から比較した場合はどうでしょうか。

この場合は、後者の部分補修の方に軍配が上がります。

修理後の使用可能期間にもよりますので、単純に比較はできないのですが、修理費用としては、持ち手の付け根を両側直したとしても部分補修の方がお安く修理できます。

また、部分補修のメリットとしては、オリジナルの雰囲気を残したまま、最小限の補修で使える状態にできるといった点がございます。

 

どちらも一長一短ですので、お客様の価値観やライフスタイルに合う方法をお選びいただければと思います。

今回のご依頼者様は、前回同様にできるだけ手を入れたくないとのご要望を頂いておりましたので、傷んだ箇所のみの部分補修をさせて頂きました。

 

 

Cartier(カルティエ)のバッグのループ継ぎ足しが完了しました(愛知県名古屋市N様)before

 

Cartier(カルティエ)のバッグのループ継ぎ足しが完了しました(愛知県名古屋市N様)before02

 

Cartier(カルティエ)のバッグのループ継ぎ足しが完了しました(愛知県名古屋市N様)before03

AFTER

こちらが修理完了後の状態です。

色や質感ができるだけ近い革を選び、持ち手付け根の千切れた場所に継ぎ足しています。

修理箇所が悪目立ちする事もなく綺麗に仕上がっていると思います。

 

部分補修は革の継ぎ目は出来てしまうものの、できるだけ長くカルティエ本来のバッグを楽しめるといった点が魅力ですね。

 

それでは、今後も末永くご愛用いただければと思います。

 

 

Cartier(カルティエ)のバッグのループ継ぎ足しが完了しました(愛知県名古屋市N様)after

 

Cartier(カルティエ)のバッグのループ継ぎ足しが完了しました(愛知県名古屋市N様)after02

 

N様、この度はご依頼いただきまして誠にありがとうございました。