今回のご依頼品は、Faure Le Page(フォレ・ル・パージュ)でございます。

1717年の創業以来、フランスを代表するブランドとして300年を超えました。

スタートは、王侯貴族の鉄砲工房として、ルイ16世やナポレオン・ボナパルトのサーベル等も任されており、現在も数々の傑作が美術館に展示されています。

バッグに付いている可愛いデザインのポーチは、銃がモチーフになっているのでルーツがわかります。
ちょっとしたところにも遊び心を忘れていません。

街の中で見かけると、直ぐにわかるあの特徴的なエカイユ柄は、ウロコがモチーフになっています。

しっかりとした素材で、レディース、メンズ共に使えるユニセックスなバッグとして仕事用にも重宝されると思います。

Daily Battle Zipped Tote(デイリー・バトル・ジップド・トート)は、広い開き口がファスナーになっていますので、とても安心できる使い勝手の良いトートバッグです。

ご依頼主様は、ファスナーが、閉めても開いてしまう状態で、何とか使用していたのですが、根本部分が閉じなくなった。というご相談でございました。

この状態でございますと、スライダー部品の交換のみで直る場合が多いと思われるのですが、今回は、ご依頼主様のご要望で、ファスナーごと交換するお直しをご依頼いただきました。

新しく交換いたしますファスナーは、耐久性の高いことを重視いたしまして、YKK社製のものでの交換修理をお勧めいたしました。

YKK社製のファスナーに変わることで、エレメントの形状や、艶感が少し変化いたします。

金属ファスナーのため、スタンダードとエクセラから、滑らかな滑りの高級ラインでありますエクセラをお選びいただきました。
現状付いているものと形状がほぼ同じものでございます。

取り付けの際の糸につきましては、現状に極力近いものをお選びし、お取り付けいたしますが、メーカー違い、ロット違いによる色ぶれ、日焼けによる退色などにより、微妙に同じ色にならないこともございます。

また、エクセラファスナーが、お取り寄せとなりますので、通常納期よりも多少お日にちをいただきますが、ご了解していただきました。

お直しではまず、現状のファスナーを取り外すために慎重に糸を解きます。

そして、新しいファスナーを表面の縫い穴を参考にしてミシンで慎重に縫製いたします。

この時、裏面の縫い目(ステッチ)の位置が、本体の皺や癖等によりまして、元々の縫い穴から多少ずれた位置になる可能性もございます。
耐久性につきましては、問題なくご使用いただけますのでその点はご安心ください。

ファスナーの破損は、比較的よくある修理内容でございますが、引き手につきましては、特に破損は見受けられませんでしたので、今回は、元の引き手を再利用して新しいファスナーにお取り付けさせていただきます。

新しいファスナーに交換できました。

これでまた、安心して末長くご使用していただけると思います。