LOUIS VUITTON (ルイヴィトン) ショルダーバッグ バケツ型 モノグラムの内袋交換が完了しました(愛知県名古屋市N様)
愛知県名古屋市N様より、LOUIS VUITTON (ルイヴィトン) ショルダーバッグ バケツ型 モノグラムの内袋交換をご依頼いただきました。
BEFORE
今回ご依頼いただきましたのはLOUIS VUITTON (ルイヴィトン)のショルダーバッグでございます。
人気のモノグラム・キャンバスです。
モノグラム・キャンバスの誕生は、
1896年頃に、ヴィトン社の製品として当時模倣品がたくさん出回ってきたことから、
トレードマークとなる新たな模様に、
イニシャルのLとVに星と花を組み合わせたモチーフのデザインが発表されたのが始まりです。
「モノグラムライン」と呼ばれることになるこの模様は、
なんと日本のたくさんある家紋からヒントを得たと言われています。
花のモチーフを複雑にして、
偽造防止を狙ったと言われています。
当時からすでにそれだけの人気があったことが伺いしれます。
それをプリントしたキャンバスにコーティングをし、レザーのようにしぼもつける。しかも丈夫で水も弾く。
これだけの要素を兼ね備えているのですから現在も尚、人気の模様だと納得できます。
ご依頼品は内側の合皮が劣化していて、べとべとになり、剥がれている状態でした。
合皮はどんなに大切にお取り扱いされていても、どうしても経年劣化いたします。
あいにく同じ合皮は、入手困難でございます。
そこで、新しく同じような合皮でお作りしても、月日が経ちますと、また同じように劣化してしまうことを考慮し、今回は、シャンタンの生地を使って新しくお作りいたしました。
シャンタン生地は、
もともとは絹で作られていました、高級品でございます。
ですが、光に弱くて変色しやすいという難点がありました。
現在では研究され、化学繊維や綿のように扱いやすい素材でも開発されました生地です。
縦が普通の糸で横が玉糸で織られています。
横糸が太いので紬のような節ができ、大変味のある趣を持った生地でございます。
生地に張りがあるので、今では、いろいろな色に染めて、様々なものに使われています。
上品な光沢も兼ね備えていることから、フォーマルなパーティードレス、入学式に参列する晴れの日のスーツなど華やかな場面でよく使われています。
昔は、限られた一部の上流階級の人たちだけの生地とも言われていましたが、今では用途に合わせてなかなかハイブリットな生地です。
AFTER
ファスナー部分にも合皮が付着していましたので、新しいものに交換させていただきました。
この部分は元の状態とほぼ同じ仕上がりとなりました。
皮革部分は基本的に再利用して、同じ形状を再現できるよう修理させていただいております。
今回も、口周りの皮革は再利用させて頂きました。
そのため、裏側の縫い目が作業工程上見えない部分になりますので、どうしても多少、元の針穴からずれる可能性がございます。ここは強度を保つためにも慎重にひと針ひと針縫い進めました。
新しく内袋を作るにあたり、ご依頼品から内側の合皮の各パーツを伸ばしたりしないように丁寧に分解させていただきました。
各寸法を正確に取り、それに合わせた型紙を起こし、裁断、縫製と工程を細部まで正確に、また、少しでも長持ちするよう丈夫な内袋をお作りすることを心がけ作業致しました。
ご依頼品は表側にぴたりと添う内側が完成致しました。
今回、ご依頼品の老舗ブランドLOUIS VUITTON(ルイ ヴィトン)のバッグをお取り扱いさせていただきまして、ヴィトン社の職人技に触れ、
ご依頼主様のお手元でまた末永くご愛用いただけますよう、
当店のお直しも慎重に丁寧にお取扱いさせて頂きました。
当店では長年使い込まれたお品でも、熟年の職人にお見せくだされば、ご希望に添えるよう、復元方法のご提案をさせていただいております。
お気軽にお問い合わせください。お待ちしております。
N様、この度は修理をご依頼いただきまして誠にありがとうございます。
- Category:かばん修理
- Brand:Louis Vuitton ルイ・ヴィトン
- 修理内容:ポケット・内袋 修理・交換