合皮素材の内袋が劣化してお鞄の内側がベトベトになっておりました。

合皮は経年劣化により、このような症状が起きやすい素材でございます。
これは合皮が加水分解したことにより起こります。

では何故、加水分解したのかと申しますと、お鞄を使用せず、押し入れなどに収納されていたことが原因になっている事が考えられます。
と言いますのも、丁寧に保存袋や箱などに入れて収納されますとお鞄の中に湿気が溜まりやすいのです。
それにより、このような症状が一気に加速します。

せっかく丁寧に収納されていたのに、このような状態になってしまうと本当にやるせない気持ちになってしまうと思います。

そこで、今回は内袋の素材を布に交換させていただくことに致しました。
布であれば加水分解は起こりません。

合皮にも「汚れてもシミになりにくい」ですとか、「取り扱いが簡単」などのメリットはございますが、日本でお使いいただく場合にはデメリットの方が目立ってしまように感じております。

内袋交換の作業は、バッグの内側のパーツを取り外すような形で分解致します。

さらに内袋自体もパーツごとにすべて分解致しまして、型を取ります。

そして、裁断を行い袋状に縫い戻してまいります。

大幅な分解が必要ですので、手間はかかりますが、分解して一から組み立てることが可能ですので、綺麗に仕上がりやすい作業でもあります。

バッグのフォルムを崩すことなく内袋を布に交換させていただきました。

内袋の素材を合皮から布に交換致しましたので、今後は加水分解の心配もなく安心して保管していただけることと思います。

末長くご愛用いただけますように願っております。