今回ご依頼頂いたのは、
イタリアの老舗バッグメーカーであるオロビアンコのキャリーケースです。

オロビアンコといえば紳士のアイテムとおっしゃる方も多いと思われます。
とりわけ、多くのビジネスマンから好まれていることを連想致しますが、
オロビアンコには多種多様な商品が揃っています。その中にはランドセルもある程ラインナップが豊富なのです。
品格のある落ち着いた印象を持つ、かなりハイセンスなランドセルを初めて目にした時は流石オロビアンコだと感心致しました。

この度ご依頼を頂きましたキャリーケースも、とても丁寧な作りになっており、老舗の仕事を随所に感じられるお品でした。
1番丁寧な仕上げを挙げるとすれば、タイヤ付近のファスナーのカバーの部分です。
そこには引いて移動する際の擦れを防ぐため、保護用の丈夫な皮革が１枚取り付けられているのです。
一手間かかっています。
これで傷つきやすいファスナー部分はしっかりと守られてキャリーケース自体長持ち致します。
また、土台部分が金属製のこれはとても珍しいタイプのものです。
頑丈な素材を使い細部まで神経が行き届いた良い仕上げをされています。
使い込まれてもタイヤだけのダメージで済んだのではないでしょうか。

ご依頼主様には直接当店にご来店頂けましたので、早速、ご依頼品を前にして拝見しお話しさせて頂くことができました。
ご依頼品は、見させて頂いた時点で、タイヤの表面が無くなっていました。これでは元のタイヤサイズがわからないという状況でした。

当店と致しまして、ご依頼主様には、
60ミリのタイヤで対応可能ならば、そのまま修理作業に入らせて頂くこと。
もし60ミリのタイヤがはまらない場合は、別の対応できる部品を取り寄せてからの作業になってしまいますので、その分のお日にちが必要になってしまうというご説明等をさせて頂き、快くご了承を頂きました。

このようにリペアスタジオではご依頼品についてのご質問、ご心配、ご要望等、詳しくお話し、お知らせ頂くことにより、熟練の職人によります長年の経験から、最も適したご納得頂ける修理内容をご提案させて頂ける。と、常に考え心掛けてご対応させて頂いております。
どんな些細なことでもお気軽にご相談頂けますとそれがかえってポイントになることがあります。経験して得た思うところでございます。

タイヤ部分は残念ながら表面が無くなっていましたので作業に取り掛かる前にまず何ミリのタイヤが取り付けできるのかを調べることから始めました。
タイヤ周りの土台部分等の寸法を全て計測し全体のバランスも含め、元のサイズを試行錯誤しながら割り出しました。
今回の場合は60ミリで対応可能と判断致しましたので、本体からキャスターの土台部分を取り外し、タイヤの交換作業をさせて頂きました。

交換したことで滑らかな動きになり、ご依頼主様の軽快なフットワークに対応して頂けると思います。

ご依頼品のキャリーケースが
お手元に渡りました時からまた、
元の様にご依頼主様のお手元で軽やかでスムーズに、ストレスを感じること無く安心してご愛用下さいますことを願っております。