PRADA(プラダ)のバッグの持ち手のチェーン内の革紐交換が完了しました(愛知県稲沢市H様)
愛知県稲沢市のH様よりプラダのバッグの持ち手のチェーン内の革紐交換をお預かりいたしました
BEFORE
プラダはミラノに本社を置くイタリアを代表するファッションブランドでございます。
プラダのおかばんと言えば皆様が思い浮かべるのはナイロン生地に逆三角形の
ロゴが取り付けられた黒いおかばんが思い浮かぶのでは無いでしょうか。
また2006年に公開されたアメリカ映画「プラダを着た悪魔」もございました。
この映画の監督は『セックス・アンド・ザ・シティ』や『バンド・オブ・ブラザーズ』などの
HBO作品で演出を務めたデビッド・フランケル。
衣裳も『セックス・アンド・ザ・シティ』のパトリシア・フィールドが手掛け、
俳優達の着ているプラダなどの衣装が話題となりました。
プラダは古くから世界から珍しい素材や質の高い皮を集めて製品を作っていた。それが評判となり
1970年ごろにはイタリア王室採用されるほど大きなブランドに成長しました。
品質の高い高級製品ですから、所有できるユーザーは限られ
裕福な層からは受け入れられましたが、庶民からは高値の華でした
そんな時に登場したのがこの「ポコノ」と呼ばれるナイロン生地です
マリオが旅行用カバンに用いていた工業用防水ナイロン素材だったのですが、
当時アメリカから輸入されていたナイロン生地「ポコノ」はパラシュートやテントに
使われるなど耐久性が高い素材であり、撥水性にも優れていることから、その実用性も相まって
いちやくプラダの看板商品となりました。
こちらのプラダのおかばんでございますが、頑丈なポコノ生地の本体部分は問題ありませんでしたが。
革製の持ち手がて劣化して切れてしまっていました。
切れてしまった持ちては片側だけでしたので、今回は片側のみ交換のご用命をいただきました。
AFTER
一般的なハンドバックの持ち手と同じ様に持ち手の革の中には芯材があり
それを巻き込む形で制作されておりました。
これを再現することも可能ではありますが、おかばんの構造から
鎖で保持されているため持ちて自体にさほど強度は必要はなさそうです。
また、もともとの持ちてと全く同じ様に再現するには
革をかなり薄く加工する必要があり、なおかつ工数も多くかかることから
お客様とも打ち合わせさせていただき、新しく作り直す方法を採用いたしました
元々の持ち手は心を包み込む筒状のものでしたが、これよりも厚みのある革を張り合わせ
ほぼ同じ厚みに合わせさせていただきました。
新しくお作りした側の持ち手につきましては、
近くで見ると張り合わせた革の断面がおわかりいただけるかと存じます。
リペアスタジオではこのようにお客様のご予算やご要望に合わせて、
修理の方法や材質変更にも対応させていただいております。