今回は、ホームページからお問い合わせをいただきました。

ご依頼品は、TORY BURCH(トリーバーチ)でございます。

2004年2月にニューヨークのノリータで小さなブティックをオープンいたしました、ライフスタイルブランドでございます。

TORY BURCH(トリーバーチ)のコレクションは、ウェア、シューズ、ハンドバッグ、アクセサリー、時計、全てにおきまして、トリーバーチ自身の女性らしいスタイルや感性が反映されていると思います。

色、プリント、ディテールは、身に付けた人の自分らしさや美しさ、自信を引き出しています。

大ヒットしたバレエフラットシューズ、チュニックコレクションは、ニューヨークからパリ、上海と、世界中で人気を集めました。

ハンドバッグコレクションにおいても、仕事用からウィークエンドにぴったりのクラシカルなアイテムまで。

トートバッグ、クロスボディーバッグ、サッチェルやミニバッグなどなど、多種な素材を使用した幅広いラインナップで選ぶ楽しみがあります。

早速、ご依頼品を拝見させていただきましたところ、持ち手の断面コバ部分が剥がれており、内側の芯材の糸が出てきている状態で、部分的に革が弱っていました。

ご依頼主様からは、持ち手の修理のご依頼をいただきました。

持ち手のこのようなご相談は、よくご依頼いただく修理内容でございます。

ご依頼品は、持ち手の劣化が激しく、部分的な修繕のみでは改善が難しいものでございましたので、新しい持ち手を作成し、お取り付けいたします。

今回は、オリジナルに忠実なお直しをさせていただくことになりました。

まず始めに、お作りする際に使用する素材につきましては、現状のものにできるだけ近い色味の牛革を吟味してお選びいたします。
これにより、本体との違和感も感じることなく、ご使用いただけると思います。

同じ形状の金型がございませんので、現状の持ち手を本体から慎重に糸を解きまして取り外します。

次に、取り外した持ち手から、寸法をとり、型紙を起こし、お選びしました牛革から慎重に裁断いたします。(切り出します。)

全てが手作業で、新しい持ち手をお作りするため、曲線の部分に関しては輪郭が若干歪む場合もございます。

また、新しくお作りする持ち手の強度を確保させていただくために、ステッチ(縫い目)の位置や目数が多少変わる場合もございます。
これは、牛革の縫い代部分の厚みによる微妙な段差や、皺や癖等によります。
尚、強度には関係ございませんので、安心してお使いいただけます。

剥がれてしまった側面コバ部分ですが、新しい持ち手では、断面のコバ塗りと呼ばれております、塗料が薄いものの仕上げとなります。

このように、長年携わって参りました熟練の職人が、工程手順に従いまして、細部1つずつにも、末永くお使いいただけますよう、丈夫に仕上げることを考慮して、お直しさせていただいております。

１点１点のご依頼品に向き合って、今、必要な修理を、手作りならではの作業で、再び蘇らせるために務めております。

どうぞ、お手元に届きました時からまた、安心して末長くご使用いただけますことを願っております。